毎日のヘアケアに気を使っているのに、なぜか髪がパサつく、ツヤがない、頭皮のトラブルが改善しない…そんな悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。実は、その原因は普段何気なく使っている「水道水」にあるかもしれません。今回は、水道水と髪の健康の意外な関係について詳しく解説します。
水道水に潜む髪への影響とは?
私たちが日常的に使っている水道水には、消毒のために残留塩素が含まれています。日本の水道水は法令により、蛇口で検出される塩素濃度(残留塩素濃度)を0.1mg/L以上保持するよう定められているためです。この塩素は飲み水としての安全性を確保する一方で、髪や頭皮には悪影響を与えることがあります。塩素には、髪や肌を構成するタンパク質にダメージを与える性質があり、水道水中の残留塩素に長時間さらされると、髪の外側にあるキューティクルが変質して剥がれやすくなり、枝毛や切れ毛につながります。また、一度傷んだ髪は自己修復できないため、その状態がそのまま蓄積されてしまうのです。
さらに、髪が傷んでいる場合にトリートメントをする方も多いと思いますが、そのトリートメントを洗い流す水が残留塩素を含むシャワーであれば、十分に効果を発揮できない可能性もあります。そのため、根本的な対策が必要です。
硬水と軟水の違いが髪に与える影響
水道水の影響を考えるうえで、もうひとつ重要な要素が「硬度」です。日本の水道水は平均50〜60mg/L程度で軟水ですが、海外では硬水が主流となる地域もあります。硬度の高い水で髪を洗うと、きしみやゴワつきが生じる場合があります。これは硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムが髪のタンパク質と反応して付着するためです。また、硬度が高くなるとシャンプーの泡立ちも悪くなります。
海外旅行先で髪がゴワゴワする経験をしたことがある方もいるかもしれませんが、それはまさにこの硬水の影響です。ただし、日本の水道水はほとんどが軟水のため、そこまで気にする必要はないでしょう。
美髪を守るための効果的な対策法
では、水道水による髪へのダメージを防ぐためにはどんな対策ができるのでしょうか?
1. 塩素除去シャワーヘッドの活用
最も効果的で手軽な方法は、塩素除去機能付きのシャワーヘッドの使用です。お風呂に塩素除去機能付きのシャワーヘッドを取り付けて、シャワーから出る水道水を簡単に浄水できる製品があります。
2. 浄水器の導入
浄水器を設置して水道水を安全な水に変える、ウォーターサーバーの水を使用するという方法があります。特に髪や肌のトラブルが気になる方には効果的です。
3. 入浴剤による塩素除去方法
ビタミンCが塩素と反応し、塩素を中和させる性質を利用した入浴剤の活用もおすすめです。入浴剤を浴槽に入れるだけなので気軽に塩素除去が可能です。
4. 適切なシャンプー選び
日本の水道水を使用する際は、アミノ酸系シャンプーを使用するとよいでしょう。ミノ酸系シャンプーは強すぎない洗浄力で髪や頭皮を洗い上げることができます。 塩素が残っている水道水を使用したうえで、洗浄力の強いシャンプーを使用すると、髪がパサつきやすくなります。
まとめ
水道水と髪の関係は、私たちが思っている以上に密接で重要です。残留塩素や水の硬度が髪と頭皮に与える影響を理解し、適切な対策を取ることで、健康で美しい髪を維持することができます。日々のヘアケアに加えて、使用する水質にも気を配ることが美髪への第一歩となるでしょう。