はじめに:水に広がる「異臭」の正体とは

水道水がなんだか「カビ臭い」、「土臭い」と感じたことはありませんか?毎日飲むお水がにおうと不安になりますよね。実はこのにおい「ジェオスミン」という物質が大きく関わっています。本記事では、このジェオスミンとは何か、なぜ水に混入するのか、飲飲用しても問題ないのかなどを、わかりやすく解説します。

ジェオスミンとは?なぜジェオスミンは水道水に混ざるの?

ジェオスミン(Geosmin)とは、土壌や淡水中に存在する藍藻類によって生成される有機化合物で、主にアナベナという藍藻類によって生成されます。ギリシャ語で「大地のにおい」という意味を持ち、雨が降ったあとの土の香りもジェオスミンが主要成分と言われています。ジェオスミンが水道水に混ざる主な原因は、水源であるダム湖や湖沼、河川における自然現象にあります。特に気温が上昇する時期には、水中の植物プランクトンの一種である藍藻類が増殖しジェオスミンを産生します。ジェオスミンが水中に溶け込むことで、水に特有の「カビ臭さ」や「土臭さ」が感じられるようになります。
また、大雨によって大量の雨水が地表を流れ込むと、土壌中に存在する放線菌などの微生物が河川に流入し、これらもジェオスミンを生成することがあります。さらに、増水によって河川の底に堆積している泥が巻き上がると、そこに含まれるジェオスミンが水に溶け出し、水道水ににおいが移る原因となります。このように、ジェオスミンは自然由来の物質であり、水源環境の変化や気象条件によって水道水に混入することがあります。
なお、水道水の水質基準では、ジェオスミンは「10ng/L(ナノグラム毎リットル)を超えないこと」と定められていますが、一般的には5ng/L程度でも異臭を感じることがあります。通常、浄水場では粉末活性炭を注入することで、ジェオスミンなどのカビ臭原因物質を吸着・除去していますが、完全に取り除けなかった場合には、水道水から「カビ臭さ」「土臭さ」を感じることがあります。なお、藍藻類が生成する物質には2-MIB(2-メチルイソボルネオール)もあり、こちらもジェオスミンと同様にカビ臭の原因物質です。
(2-MIBの記事はこちら

ジェオスミンの人体への影響はある?

ジェオスミンは不快なにおいの原因ではあるものの、毒性はなく、飲用しても人体に直接的な悪影響はありません。
先述の通り、ジェオスミンは微量でもにおいを感じやすいため、気になる方は多いでしょう。害はないとはいえ、においのある水をあえて飲みたくはないですよね。では、ジェオスミンのにおいが気になるとき、どのように対処すればよいのでしょうか?

においが気になるときの対処法と予防策

ジェオスミンによる水のにおいが気になる場合、以下の方法が有効です。

  • 煮沸:ジェオスミンは加熱により分解されやすいため、やかんなどで蓋を開けたまま5~6分間煮沸することでにおいを軽減できます.
  • 浄水器の使用:活性炭フィルター搭載の浄水器は、ジェオスミンの吸着・除去に効果が期待できます。※
  • 水道局への相談:急ににおいが強くなったり、異臭が長期間続く場合は、地域の水道局に連絡し、水源や配管の状態を確認してもらいましょう。

※ただし、一度煮沸や浄水処理を行った水は消毒効果が低下しているため、冷蔵庫などで保管し、1日以内に飲み切るようにしましょう。

まとめ:においの原因を知ることで、安心できる水生活を

ジェオスミンは自然由来の成分であり、健康に害を及ぼすものではありませんが、においという心理的不快は水分摂取の妨げとなる可能性があります。においの原因と対処方を理解することで、水道水への不安を減らし、より安心して水道水を利用することができるでしょう。きよまろスマートはジェオスミンを含む12物質除去可能な蛇口直結型浄水器です。90%の蛇口に対応で取付も簡単なので、水道水のカビ臭や土臭さにお悩みの方は検討してみてはいかがでしょうか。

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参考文献